水質検査のやり方とは?簡易検査と公定法の違い【基礎知識】
試薬の色で手早く見る方法と、国が定めた手順で測る方法。手軽さ以外にどこが違うのか、2つの使い分けを解説します。
水質検査のやり方は、大きく分けると、国が定めた方法で測る「公定法」と、現場で手早く値をつかむための「簡易検査」があります。どちらが上というより、何のために測るかで使い分けるものです。この記事では、公定法以外の手早い測り方をまとめて簡易検査と呼びます。 ■公定法とは? 法令の基準と比べる値は、測り方まで決められています。排水基準を定める省令では、排水基準は環境大臣が定める方法で検定したときの検出値によると定められています。その告示では、多くの項目で日本産業規格K0102などの規格の方法が指定されています。水道水についても、水質基準を定めた省令で、環境大臣が定める方法で行う検査で基準に適合することが求められています。 ■簡易検査はどんなしくみ? よく使われるのは、試薬を加えて色を出し、色見本と見比べる比色のしくみです。例えば残留塩素のDPD法では、試薬を入れた比色管に検水10mLを加え、比色板と照らし合わせて濃度を読み取ります。発色を携帯型の吸光度計で読む方法もあります。まずはお気軽にご相談ください。
基本情報
■手軽な方法は公定法ではない? 実は、前の例のDPD法は、水道の残留塩素では公定法の一つです。DPD法のほか、電流法や吸光光度法、ポーラログラフ法、連続自動測定機器による吸光光度法などが国の告示で定める検査方法に挙げられています。公定法かどうかを分けるのは、器具の手軽さより、国が定めた方法に当たるかどうかです。 ■結果が出るまでの時間は? 項目によっては、公定法で時間がかかるものがあります。例えばBODは、20°Cで5日間培養してから求める項目なので、結果が出るまで5日以上かかります。水質事故のように急ぐ場面では、精度は劣っても早く分かる方法が求められることがあります。 ■排水の自主測定はどちらで測る? 特定事業場には、水質汚濁防止法により排出水の汚染状態を測って記録する義務があります。施行規則で、この測定は排水基準の検定方法で行うと定められています。届出の項目を年1回以上測る記録は、簡易検査の値で代えられるものではありません。都道府県等の条例で、測定回数が上乗せされる場合もあります。
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■簡易検査で判定できないことも! 水道水のホルムアルデヒドについて、告示の方法と簡易な方法を比べた検証があります。市販の比色キットは数分で判定できる一方、基準値程度では色の変化が見られず、基準を超えたかの判定には感度が足りませんでした。酸化性や還元性の物質が発色に影響する場合があることや、反応時間を守る大切さもわかっています。 ■使い分けの考え方 1.法令の基準と比べる値:公定法で測る 2.日々の変化の把握:簡易検査や連続測定で傾向を見る 3.簡易検査を選ぶとき:測りたい濃度で色の差が出るかを確かめる ■連続計測と定期検査の回数 水道法施行規則には、水道事業者が濁度やpH値などを連続的に計測・記録している場合、その項目の定期検査をおおむね3か月に1回以上に減らせる規定もあります。 ■手元での測定もお手伝い トリイでは、現場で水質を測る装置のレンタルにも対応しています。定期の検査とは別に、日常の値を手元で確かめる方法を一緒に考えます。まずはお気軽にご相談ください。


