井水とは?工場で井水を使うときの処理【基礎知識】
水温が安定し、一般に水質も良好とされる井水。それでも用途によっては処理が欠かせません。工場で井水を使うときの考え方を解説します。
井水(せいすい)とは、井戸から汲み上げた地下水のことです。工場では、上水道や工業用水道と並ぶ水源の一つとして、冷却や洗浄などのさまざまな用途に使われています。全国の地下水使用量のうち、工業用水は27.0%を占めると推計されています(工業用水は2019年の使用量)。 ■地下水を定義した法律はない? 日本には地下水を定義した法律がなく、水循環基本法にも定義はありません。専門的には、広い意味で、地表面より下の土や岩のすき間などにある水の総称を指します。 ■夏は冷たく、冬は温かい? 地下水には、表流水に比べて夏は冷たく、冬は温かい「恒温性」があります。地下水そのものの水温が季節によって大きく変わらないため、気温や川の水と比べたときに、夏は冷たく、冬は温かく感じられるのです。 ■温度変化が少ない地下水 地下水は温度の変化が少なく、一般に水質も良好です。こうした性質から、地下水は工場の冷却用水や洗浄用水など、さまざまな用途に全国で使われています。まずはお気軽にご相談ください。
基本情報
■水質は井戸ごとに違う? 地下水は一般に水質が良好な一方、不圧地下水は地表水の影響を受けやすく、被圧地下水は帯水層の周りの地質に由来する固有の特徴を持ちます。井戸の深さや汲み上げる帯水層によって水質が変わるのは、このためです。地下水で調べる主な項目は、次のとおりです。 1.性状:水温、pH値、色度 2.溶けている成分:侵食性遊離炭酸、アンモニア態窒素、硝酸態窒素、鉄、マンガン 3.微生物:鉄細菌、細菌など ■ヒ素や有機溶剤にも留意 地域によってはヒ素やフッ素にも留意し、トリクロロエチレンなどの有機溶剤による汚染の事例も多くあります。 ■成分ごとの処理方法は? 処理方法としては、侵食性遊離炭酸にはエアレーションやアルカリ剤処理、硬度には晶析軟化や凝析沈殿などがあります。硬度成分は、ボイラーの中で濃縮されると伝熱管の上に析出するため、設備用水では特に注意が必要です。エアレーションは、pH値の低い水から遊離炭酸を除いてpH値を上げる効果があります。鉄やマンガンの処理は、別のページで扱います。
価格帯
納期
用途/実績例
■飲める水ならボイラーにも使える? 水道の水質基準では、硬度(カルシウム、マグネシウム等)の基準値は300mg/L以下です。これに対し、JIS B 8223の水質基準を見ると、常用の圧力が1MPa以下で軟化水を補給する多管式特殊循環ボイラーの給水は、硬度1mg/L以下が目安です。飲み水の基準を満たす井水でも、ボイラー給水には軟水化などの処理が必要になることがあります。 ■汲み上げに許可が要る地域も! 工業用水法では、政令で定める指定地域で、揚水機の吐出口の断面積が6平方cmを超える井戸から地下水を汲み、工業の用に使う場合、井戸ごとに都道府県知事など(指定都市では市長)の許可が必要です。自治体の条例で採取が制限されている地域もあります。 ■導入前の確認ポイント 1.用途:飲用か、ボイラーや冷却か、洗浄か 2.原水の分析値:硬度、鉄、マンガン、pH値など 3.その地域の採取の規制 トリイでは、ろ過装置や軟水器のほか、ボイラー用の薬品もご用意しています。まずはお気軽にご相談ください。


