次亜塩素酸ナトリウムと酸を混ぜると危険な理由【基礎知識】
危ないのは塩酸だけ?塩素ガスが出る反応のしくみ、取り違えによる労働災害の事例、国が示す混触防止の対策をまとめます。
次亜塩素酸塩の溶液と酸性の溶液が混ざって塩素ガスが発生する中毒災害は、毎年のように起きてきました。前者は消毒や漂白に、後者は洗浄や水処理に使われるため、両方のタンクを置く事業場も多くあります。取り違えや誤った補充が、事故のきっかけになるのです。 ■なぜ塩素ガスが出る? 有効塩素がどの形で存在するかはpHに左右され、pHが下がるにつれて次亜塩素酸イオンから次亜塩素酸、さらに塩素ガスへと移ります。アルカリ性の製品に酸が加わってpHが下がると、この順に形が変わっていきます。塩酸の場合は、次のように表せます。 1.NaClO + HCl → NaCl + HClO 2.HClO + HCl → Cl2 + H2O ■2つの式を合わせると 2つを合わせると「NaClO + 2HCl → NaCl + Cl2 + H2O」です。酸性が強くなるほど、塩素ガスの形をとる割合が増えます。2の式は、塩素が水と反応して次亜塩素酸と塩酸ができる反応の逆向きにあたります。まずはお気軽にご相談ください。
基本情報
■塩酸以外の酸なら大丈夫? 大丈夫ではありません。硫酸ばんど(硫酸アルミニウム)の原液はpH3程度、PACの原液はpH3.5〜5程度の酸性です。そのため、次亜塩素酸ナトリウムと混ざると塩素ガスが出ます。 ■酢でも塩素ガスが出る 住宅用の塩素系洗浄剤に穀物酢を混ぜる試験でも、試験用の箱の中の塩素ガス濃度が数分で40ppmを超えました。 ■塩素ガスはどれほど危ない? 塩素ガスは刺激臭のある帯緑色〜黄色の気体で、吸い込むと咳や息苦しさなどを起こし、症状は遅れて出ることもあります。労働安全衛生法にもとづく管理濃度は0.5ppmです。 ■浴室での再現試験 浴室での再現試験では、スプレータイプの塩素系と酸性の洗浄剤を一緒に使うと、数分後に16ppmを超えました。 ■中和しようとして逆効果に? チオ硫酸ナトリウム(ハイポ)を次亜塩素酸ナトリウムの原液に直接まくと、硫酸ができて液が酸性になり、塩素ガスが出ます。安易に中和しようとせず、手順に従うことが大切です。
価格帯
納期
用途/実績例
■どんな事故が起きている? 1.焼却施設:次亜塩素酸ナトリウムを補充する際、段ボール梱包がよく似た塩酸を誤ってタンクに入れ、後から除去作業に加わった人を含む6人が塩素中毒になりました。 2.商業施設:地下の地下水処理施設で次亜塩素酸ナトリウムとPACが混ざり、労働者24名と来客8名が被災しました。 どちらも、混ざってはいけない液が同じ場所で扱われていた事例です。 ■国が示す対策は? 国の通達で示された対策は、次のとおりです。 1.タンクの注入口などに、内容物の名称、酸性溶液を補充しないこと、入れれば塩素ガスが出ることを大きく表示する 2.注入時は、まず少量を入れて塩素ガスが出ないことを確かめる 3.混触防止の作業標準を定め、特定化学物質等作業主任者など知識のある人の指揮のもとで作業する 4.混ざってガスが出たら注入をやめ、すぐに退避する ■保管や取扱いで迷ったら? 当社は次亜塩素酸ナトリウムを取り扱っており、保管や取扱いについてのご相談もお受けしています。まずはお気軽にご相談ください。


