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【防錆のはなし】第五回「さび対策」
錆の発生原因には様々な組み合わせがあり、それに対応して防ぐ手段も 色々あります。 大別すると予防的手段と治療的手段に分けられます。 前者は『さび』が発生する前に対策することであり、イニシャルコストに 含まれます。後者は『さび』が発生した後に対策することで、 ランニングコストに含まれます。 防錆方法を原理別に示すと右図のようになります。 最初のA~Cは自然環境に対して指し、Dは人工環境や水溶液等との 接触に対して表しています。 1)レッセ・フェール:一定期間を決めて取り替えることを前提とした方法 2)材料設計:使用環境を考慮して耐食性を高めた材料を開発する方法 3)構造設計:すきまの発生や異種金属の接触を配慮する方法 4)表面処理:亜鉛、アルミニウムのような金属をメッキする方法 5)塗装:有機材料によって表面を被覆する方法 6)環境処理:錆の発生を抑制する確実な方法である乾燥と空気清浄をとる方法 7)電気防食:鋼材の電極電位を一定以下に保つ方法
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【防錆のはなし】第六回「錆の種類」
そもそも金属が錆びるとはどういうことでしょう? 一般的に「錆びる」という現象は金属が電子を放出してイオン化することを 言います。これを別の言い方をすると「酸化」になります。 また、「酸化」には対の言葉として「還元」という言葉があり、酸化と還元は 「電子」の受け渡しによって生じています。 このような現象で金属表面上にできたものが一般に『錆・サビ』と言われるものです。 この『錆』にはいくつか種類があり、一番知られているのはやはり鉄の錆でしょうか。 鉄錆はその状態によっていくつか慣用名があります。 次に良く知られているのは緑青でしょうか。これは銅が酸化して生じた 緑色の錆で、他にも白さびといわれるの亜鉛の錆があります。 このように一口に『さび』といっても様々で、その色や性質は多く存在しています。 もしかしたらまだ発見されていない『さび』もあるかもしれません。 でも『錆びる』・『酸化する』という現象は一つなので、その状況に応じて 対策を講じていけばよいのです。