表面処理技術 「フッ素樹脂PTFEの低摩擦性とは」
なぜ、フッ素樹脂は摩擦係数が小さいのか。フッ素樹脂PTFEの低摩擦性に注目してご紹介します。
■摩擦とは 摩擦は、2つのモノが接触し相互に運動するときにモノ同士の表面に発生し ます。その際に生じる抵抗の力(妨げる力)を摩擦力と呼びます。摩擦は 静止摩擦力と動摩擦力とがあり、動き出すまでの抵抗の力を静止摩擦力、 動き出してからの抵抗の力を動摩擦力といいます。 ■PTFEの特長 フッ素樹脂PTFEは他の樹脂に比べて摩擦による抵抗が極めて小さい特 長があります。PTFEの静摩擦係数は0.04程度と小さく、小さな力で接 触する2つのモノを動かすことができます。 ■フッ素樹脂(PTFE)の低摩擦性 フッ素樹脂(PTFE)は摩擦係数が小さく固体潤滑材としても利用され ます。PTFEは、炭素原子の周りにフッ素原子が隙間なく取り囲んだ状 態になっています。分子表面のフッ素原子の自由エネルギーは小さく、分 子が対象構造で極性が極めて小さい特長をもっています。 PTFEの摩擦係数が小さい理由として、このような分子構造が影響して いると考えられています。 ■フッ素樹脂PTFEの摩擦係数が低いわけ →続きは基本情報項目をご確認ください。
基本情報
■フッ素樹脂PTFEの摩擦係数が低いわけ ・PTFE分子内の原子間結合力が大きいため、PTFE分子と接触する 相手材の分子間力が小さくなる。 ・摩擦(滑ること)によりPTFE分子が相手材に微量付着してPTFE 同士の滑りとなる。 ・PTFE分子の表面が凹凸が少なく滑らかな構造になっている。 ・PTFE分子の配向により摩擦の抵抗が緩和されやすい。 このような理由からフッ素樹脂PTFEは潤滑性に優れていると考えられ ています。 ■フッ素樹脂コーティングによる低摩擦コーティング フッ素樹脂は、コーティングによりフッ素樹脂を金属などの表面に被膜に できます。 フッ素樹脂コーティングを施すことで、フッ素樹脂の特長を部品や設備に 利用でき、製品を滑りやすくしたり、装置の一部に潤滑性を与えること で、生産性の向上や工程トラブルの防止が期待できます。 ※詳しくはPDFをダウンロードしてご確認ください。
価格帯
納期
用途/実績例
■テフロンコーティングの使用用途 食品用機器・・・練り機、ロール、焼き型など 産業用非粘着分野・・・攪拌機、遠心分離機、ヒートシーラ、成形用金型、ロール類 化学プラント・・・配管、タンク類、バルブ、ポンプ類など 半導体製造装置・・・めっき治具関係、はんだ治具、半導体製造ライン等 潤滑関係・・・ベアリング、ピストンリング、精密機器部品、エスカレーターガイド等 OA機器・・・定着ロール、分離爪など 絶縁関連・・・各種電極、精密機器部品、碍子など 航空宇宙産業機器・・・成形用部品など
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製造装置や機械部品の性能を最大限に引き出すため、 吉田SKTは数百種類の表面処理技術から、お客様だけの「最適解」を導き出します。 ・粘着トラブルによる生産性低下 ・摩擦による製品品質の不安定化 ・腐食による設備の早期劣化 こうした製造現場の課題に、豊富な実績と確かな技術力で応えます。 1963年、フッ素樹脂加工を開始。 1968年には米国デュポン社(現ケマーズ社)とのライセンス契約を締結し、 自動車から医療、航空宇宙まで、2,000社を超えるお客様の製造革新をサポートしています。 さらに2024年にはPFASフリーコーティングを開発するなど、次世代製品の開発にも注力。 持続可能な製造業の発展に貢献します。 名古屋・東京・山口の3拠点体制で、量産から特注品まで柔軟に対応。 一貫した品質管理体制により、確かな品質をお届けします。 製造現場の課題解決は、表面処理のエキスパート、吉田SKTにお任せください。