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4. チップソーの刃物回転数・周速の計算と設定方法

アルミ切断用チップソーを安全かつ高精度に運用するためには、「刃物の回転数」と「刃先の周速(Vc)」の理解が不可欠です。

▶️はじめに アルミ切断作業において、刃物の「回転数(rpm)」と「周速(Vc)」は切断品質、刃物寿命、安全性を左右する重要なパラメータです。 回転数と周速数を適切に設定することで、 ✅切断面の品質向上 ✅刃先の寿命延長 ✅モーター・機械負荷の軽減  といった効果が期待できます。 ▶️回転数(N)とは? ✅定義:チップソーが1分間に何回転するかを表す値(単位:rpm) ✅モーター回転やインバータ設定と連動して調整されます ▶️周速(Vc)とは? ✅定義:チップソーの刃先が1分間に動く距離(m/min)のこと。(単位:m/minまたはm/s) ✅材料と接触する刃先の速度であり、切断面の仕上がりに直接影響します

◀️ 前回のテーマ  3. チップソーの刃数(ピッチ)とは?

基本情報

周速の計算式  Vc(m/min)=πxD(mm)xN(rpm)÷1000 ※m/sに換算する場合は、さらに÷60してください。 ▶️ 例:φ405mmブレード × 3000rpm の場合  Vc=3.14x405x3000÷1000=3815m/min(≓63.6m/s) ▶️周速の目安(材料別) 材料種別        |周速の目安(m/s)|注意点 純アルミ・軟質合金   |70〜90      |高速でもOK。切れ味重視   アルミ合金(A5052など)|50〜70     |バランス型。品質と速度の両立 鋳物(ADC12などSi系) |15〜40     |摩耗しやすく、低速で慎重に ▶️刃物回転数の設定方法 回転数(N)は、周速の目標値から逆算して求めることも可能です。 ✅回転数の逆算式  N(rpm)=Vc〈m/min)x1000÷(πxD(mm) ▶️ 例:Vc=60m/s(3600m/min)/ブレードφ355mm の場合  N≓3600x1000÷(3.14×355)≓3,228rpm

価格帯

納期

用途/実績例

▶️実際の設定でのポイント ✅ ブレードの許容最高回転数を超えないように! → 各チップソーには「最高使用回転数」が明記されています。それを超えると破損リスクが高まり非常に危険です。 ✅ モーター・駆動部の性能に合わせて設定 → 高速にすれば切断スピードは上がりますが、電力負荷や振動も増えるため機械に無理がない範囲で調整する必要があります。 ▶️よくある誤設定とトラブル例 トラブル     |原因            |解決策 切断面が荒れる  |周速が遅すぎる       |回転数を上げて60m/s以上を目安に設定 刃にアルミが溶着 |回転だけ高くて送りが遅い  |刃先の熱集中を防ぐため、送り速度とのバランスを調整 刃が欠けた/焼けた|周速が速すぎる・負荷が大きい|回転数を下げるか刃数を見直す(少歯に変更) ▶️奥村機械製作所のサポート 奥村機械製作所では、使用ブレードと材料特性に応じた安全かつ最適な回転数・周速の設定をサポートいたします。 URKGシリーズでは操作盤内に最大回転数制御やインバーター速度制御も組み込まれており、安心して高速切断が可能です。

詳細情報

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初心者向けアルミ用チップソーの基礎知識 

その他資料

取り扱い会社

奥村機械製作所は1952年高松市で創業しました。1965年より木工機械製造を開始し、70年代にアルミ形材の切断に一貫して注力し成功を収めました。 お客様の生産性を確保し、向上させるという目標に焦点を当てる事で、アルミ切断機製造におけるマーケットリーダーとなる事が出来ました。 100を超える製品群により、様々なご要望にお応えする事が出来ます。 また、セミオーダー対応した機械設計により、あらゆる分野と企業規模に応じた製品を提供する事が可能です。 国内で6,000台を超える製品群は、私たちの実力を物語っています。 しかし、私たちが特に誇りに思っている事は、品質、柔軟性、個性、信頼性、顧客との近さといった中小企業の価値を体現する、地に足の着いた企業であり続けた事でしょう。 私たちの製品が優れた品質であることを示す一つの指標は、その寿命の長さであり、多くの弊社製品は30年以上に渡り使用されています。 私たちの目標は、お客様のために完璧な製品を開発することです。 お客様のご要望を理解し、それにお応えするために製品やサービスを提供するパートナーとして奥村機械製作所をよろしくお願い致します。

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