低伝送損失プリント配線板材料 CS-3379M
ミリ波レーダー基板向けに半額程度でご提供
ミリ波レーダ基板向けのプリント配線板材料は「低伝送損失」という性能を必要とするため、高価なPTFE(ふっ素樹脂)やLPC(液晶ポリマー樹脂)をベースにしたものが主流となっています。 CS-3379Mは、これらよりも安価なPPE(ポリフェニレンエーテル樹脂)をベースに、低伝送損失を実現したものです。 PTFE基板と同等の低伝送損失性能を備え、かつ、半額程度の価格で供給できるものと予想しております。
基本情報
高周波数の信号を「より速く、より多く伝える」という意味での「低伝送損失」特性を備えたプリント配線板材料(銅張り積層板)です。 プリント配線板の回路に電流(信号)が流れると、このエネルギーがベースとなる絶縁板の樹脂の分子を振動させて熱が発生します。この現象は電子レンジのマイクロ波が、食品に含まれる水の分子を振動させて温めるのに似ています。このおり発生する熱は、本来、信号として伝わるべきエネルギーで、信号が損なわれる程度は「誘電正接(Df)」で表されます。 電子レンジのマイクロ波の周波数は約2.5ギガヘルツですが、ミリ波レーダのそれは約80ギガヘルツにもなり、絶縁板の樹脂分子が激しく振動すると、より多くの信号が損失されることになります。 CS-3379Mは、誘電正接(Df)を大幅に低減させたプリント配線板材料です。一般的なプリント配線板材料、すなわちエポキシ樹脂をベースにしたもののDfは、わずか1メガヘルツにおいても0.020程度ですが、CS-3379Mのそれは、ミリ波レーダ帯域を上回る100ギガヘルツにおいて0.0028という測定結果を得ております。(外部試験機関による平衡型円盤共振器法)
価格帯
納期
型番・ブランド名
リショーライト プリント配線板材料 CS-3379M
用途/実績例
ミリ波レーター基板、携帯電話基地局アンテナ基板、Wi-Fi基板、GPS基板、ETCほか車載機器用基板など、信号をより速く、より多く伝える必要がある電子機器のプリント配線板
詳細情報
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▼伝送損失の測定結果 CS-3379Mは高価なPTFE基板と同等の低伝送損失性能を示していることが見て取れます
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▼比誘電率(Dk)の周波数依存性 ミリ波レーダ帯域よりも高い100キガヘルツまで、安定した特性を示します(平衡型円盤共振器法)
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▼誘電正接(Df)の周波数依存性 ミリ波レーダ帯域よりも高い100キガヘルツまで、安定した特性を示します(平衡型円盤共振器法)
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▼冷熱サイクル試験結果(スルーホール信頼性) 車載用のプリント配線板材料は高温と低温に繰り返し曝されても回路(特に垂直方向)が断線しないという信頼性が必須です。試料をマイナス40℃の低温とプラス125℃の高温にそれぞれ30分間、交互に置くことを3000回繰り返しても、回路が断線しないか試験しました。断線すると、直列に接続された500個の貫通穴の両端で測定した抵抗変化率(縦軸)の値が突出します。グラフのように抵抗変化率の値は安定しています。
ラインアップ(1)
型番 | 概要 |
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CS-3379M | ○Dk=3.4(@100GHz) ○Df=0.0028(@100GHz) ○ミリ波帯においてもPTFE基板と同等の低伝送損失特性を発揮 ○吸湿が少なく、安定した低伝送損失性能を発揮 ○複合基板が低価格で製作できる ○鉄伝導性に優れる(0.6W/mK) |