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5. チップソーの送り速度の計算と設定方法

アルミ切断作業で“切断面の品質”や“刃物の寿命”を左右するもうひとつの重要な要素が「送り速度」です。

自動送り装置付きの切断機では、送り量(Feed)と一歯当たりの送り量(fz)を正確に把握し、適切に設定することが求められます。 ▶️ 送り速度(Vf)とは? ブレードの回転に対して、材料をどれだけのスピードで送り込むかを表す値です。 ✅単位は通常 mm/min(ミリメートル毎分) ✅手動操作でも無意識に影響するため、実際の作業スピードに関係します。 ▶️ 一刃あたりの送り量(fz)とは? fzとは、1つの刃が切る厚みを表す数値です。 ✅ fz の計算式(※交互刃型は2枚で1刃として換算)  fz(mm/刃)= Vf(mm/min) ÷(Z ÷2× N) ・Vf:送り速度(mm/min) ・Z:刃数(トリプルチップの場合、Z÷2) ・N:回転数(rpm) ▶️材料別の適正fz目安 材料      |推奨fz   |備考 純アルミ・軟質材|0.02〜0.10 |切れ味重視。やや速めの送りでOK 一般アルミ合金 |0.02〜0.07 |バランス重視。仕上げも良好 厚板・硬質材  |0.02〜0.05 |摩擦・溶着防止のため送りは慎重に

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基本情報

実用例:送り速度の逆算 ▶️ 例:回転数3000rpm、刃数100枚、fz=0.06 mm/刃  Vf = 0.06 × (100÷2) × 3000 = 9,000 mm/min(9m/min) → トリプル刃では、2枚で1回の切断動作のため、通常の2分の1で計算します。 ▶️手動送りの場合 回転数や刃数は同じでも、fz=0.02で計算すると:  Vf = 0.02 × (100÷2)× 3000 = 3000 mm/min(3m/min) → 手押しでコントロール可能な範囲です。 ▶️適正送り設定のポイント ✅ 一定速度で「止めずに押し切る」のが基本です。 ✅ 途中で止めたり遅くなると、刃先に熱が集中し溶着・刃欠けの原因になります。 ▶️推奨: ✅自動送り機構では サーボ制御 or インバーター制御で減速・停止制御を行う。 ✅手動送り時は、安定した姿勢と力加減を保ち、1歯あたりの切込み量を意識しましょう。

価格帯

納期

用途/実績例

▶️奥村機械製作所の技術支援 当社の切断機URKMシリーズ)は、送り速度を数値設定可能。 また、導入時の条件設定サポート(OKUMURA SELECT)では、最適な送り速度と周速の組み合わせをご案内します。

詳細情報

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製品カタログ

取り扱い会社

奥村機械製作所は1952年高松市で創業しました。1965年より木工機械製造を開始し、70年代にアルミ形材の切断に一貫して注力し成功を収めました。 お客様の生産性を確保し、向上させるという目標に焦点を当てる事で、アルミ切断機製造におけるマーケットリーダーとなる事が出来ました。 100を超える製品群により、様々なご要望にお応えする事が出来ます。 また、セミオーダー対応した機械設計により、あらゆる分野と企業規模に応じた製品を提供する事が可能です。 国内で6,000台を超える製品群は、私たちの実力を物語っています。 しかし、私たちが特に誇りに思っている事は、品質、柔軟性、個性、信頼性、顧客との近さといった中小企業の価値を体現する、地に足の着いた企業であり続けた事でしょう。 私たちの製品が優れた品質であることを示す一つの指標は、その寿命の長さであり、多くの弊社製品は30年以上に渡り使用されています。 私たちの目標は、お客様のために完璧な製品を開発することです。 お客様のご要望を理解し、それにお応えするために製品やサービスを提供するパートナーとして奥村機械製作所をよろしくお願い致します。

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