6. アルミ素材別切断方法:適した切断機と切断条件
アルミにはその合金構成や製造方法により切削性が大きく異なります。代表的なアルミ素材毎に適したチップソーと切断条件をご紹介します。
▶️アルミサッシ・押出し形材(A6063など) ・特性:薄肉・中空断面/比較的軟質な押出し材 ・推奨刃物:交互傾斜・トリプルチップ刃(ネガティブ角/80〜120山) ・送り速度(fz):0.02〜0.10 mm/刃 ・ポイント:刃の噛み込みを防ぐため、前傾角は中立〜ネガティブが推奨。潤滑剤を軽く塗布すると溶着防止に効果的。 ▶️アルミ板材(A5052・A6061など) ・特性:厚み10mm以上、強度が高く加工硬化を起こしやすい ・推奨刃物:トリプルチップ刃(50〜80山)+逃げ角設計のしっかりしたもの ・送り速度(fz):0.04〜0.07 mm/刃 ・ポイント:過度な高速回転は発熱リスク。切断中のブレードの挟み込みを避けるため、割刃構造のブレードが有効。 ▶️フィン付きヒートシンク(押出材) ・特性:細かいフィン部+中厚のベース ・推奨刃物:トリプルチップ刃(ネガティブ角/90〜120山) ・送り速度(fz):0.03〜0.06 mm/刃 ・ポイント:バリ抑制重視。切れ味の良い新刃を使用し、微量の潤滑剤を併用。材料が薄いため常時2〜3歯が当たる歯数設定が必要。
基本情報
▶️アルミ鋳物・ダイカスト(ADC12・Si系) ✅特性:シリコン含有量が高く、硬くて脆い/摩耗性が強い ✅推奨刃物:粗ピッチ(30〜60山)+PCDまたはコーティング刃 ✅周速:15〜40 m/s ✅送り速度(fz):0.03〜0.05 mm/刃 ✅ポイント:摩耗に強い刃先と低速切断が基本。粉状の切りくずをしっかり排出できるよう、集塵機との併用が必須。 ▶️切断条件の比較表 素材 |刃型 |歯数例 |周速(m/s)|fz(mm/刃) サッシ形材 |交互傾斜/ネガ |80〜120山|50〜80 |0.06〜0.10 板材(10mm〜)|トリプル/逃げ角有|50〜80山 |40〜60 |0.04〜0.07 ヒートシンク |トリプル/細かい山|90〜120山|60〜80 |0.03〜0.06 鋳物 |粗ピッチPCD刃 |30〜60山 |15〜40 |0.03〜0.05
価格帯
納期
用途/実績例
▶️奥村機械製作所の機種対応 機種 |対応素材 |特徴(参考機種) UCAシリーズ |サッシ・形材 |アンダーカット方式+集塵装置一体型(UCA -300DC) ACAシリーズ |サッシ・形材 |オーバーカット方式+角度切断(ACG2) JCUシリーズ |サッシ・形材 |アップカット方式+角度切断(JCUー510D ) UCA -Tシリーズ |アルミ板、銅バー|アンダーカット方式+銅バー切断(UCA-T 250R) URKシリーズ |アルミ厚板 |割刃構造+大径ブレードt200mm対応(URKG2000) UCACHMシリーズ|形材全般 |自動定寸送り+高速量産対応(UCACHM400-62 ) ▶️まとめ アルミ素材に応じた刃型・周速・送り速度の最適化は、高品質切断と刃物寿命の延伸に直結します。 加工素材の特性を見極め、条件設定を微調整することが最も重要です。 専門スタッフによる切断条件の選定サポートも実施中!お気軽に「OKUMURA SELECT」までご相談ください。
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奥村機械製作所は1952年高松市で創業しました。1965年より木工機械製造を開始し、70年代にアルミ形材の切断に一貫して注力し成功を収めました。 お客様の生産性を確保し、向上させるという目標に焦点を当てる事で、アルミ切断機製造におけるマーケットリーダーとなる事が出来ました。 100を超える製品群により、様々なご要望にお応えする事が出来ます。 また、セミオーダー対応した機械設計により、あらゆる分野と企業規模に応じた製品を提供する事が可能です。 国内で6,000台を超える製品群は、私たちの実力を物語っています。 しかし、私たちが特に誇りに思っている事は、品質、柔軟性、個性、信頼性、顧客との近さといった中小企業の価値を体現する、地に足の着いた企業であり続けた事でしょう。 私たちの製品が優れた品質であることを示す一つの指標は、その寿命の長さであり、多くの弊社製品は30年以上に渡り使用されています。 私たちの目標は、お客様のために完璧な製品を開発することです。 お客様のご要望を理解し、それにお応えするために製品やサービスを提供するパートナーとして奥村機械製作所をよろしくお願い致します。