装飾クロムめっき

装飾クロムめっき
クロムはイオン化傾向の大きな金属(卑な金属)ですが、空気中の酸素で透明かつ緻密な酸化皮膜(厚さ約5nm)を瞬間的に形成する事により、 銅より貴な電位を示す耐食性の優れた皮膜になります。 また、下地にニッケルめっき、上層に装飾クロムめっきを処理している場合、クロムめっき表面がカソード(正極)、ニッケルめっきがアノード(負極)となり腐食電池が形成されます。このアノード、カソードの面積比が小さいほど腐食が進みますが、クロムめっき皮膜はマイクロクラックが多く存在するため、ニッケル露出面積が増え、腐食電流が分散され耐食性が良好となります。 その他の特徴として、皮膜が硬く、耐摩耗性、耐熱性、離型性にも優れており、大気中で変色せず、塩酸以外の酸・アルカリに腐食されにくいため、銅-ニッケルめっきの最上層保護膜(厚さ0.1~0.5μm)として主に利用され、特有の深みのある金属光沢色を呈すことから、装飾めっきに多用されています。